SSブログ

[nuclear]土壌が放射能で汚染しているとがんは増えるの? [Human]


福島の校庭の汚染の基準が20mSv/年となったことが問題になっていますね。
そこで、汚染された土壌で長年暮らすとどうなるのか考えてみました。



文科省は、環境・空間の放射線量ばかりを中心に考えて、土壌の放射能については検討が不十分のようです。
[Usream動画] 5月2日「子どもたちを放射能から守れ政府交渉」1:15:00頃
http://www.ustream.tv/recorded/14425806



チェルノブイリの事故の調査から、土壌汚染と癌の関係を探してみました。

参考資料
「Chernobyl Consequences of the Catastrophe for People and the Environment」
Yablokov Chernobyl book.pdf
http://www.strahlentelex.de/Yablokov%20Chernobyl%20book.pdf
P.182
Figure 6.20. Breast cancer morbidity (women, per 100,000) in Gomel Province with various levels of Cs-137 contamination (National Belarussian Report, 2006).

(見やすくするために数字と矢印を赤字で書き込みました)
P.181
From 1990 to 2003, breast cancer mor- bidity rates in the districts of Gomel Province
contaminated by Cs-137 at a level of 185–555 kBq/m2 and above were significantly higher compared with districts contaminated at levels lower than 185 kBq/m2 (respectively, 30.2 ± 2.6; 76 ± 12; and 23.2 ± 1.4 per 100,000; Figure 6.20).
「185,000Bq/㎡以上のエリアの乳がん罹患率は、それ以下に比べ有意に高い。」とあります。


放射能汚染濃度が高いと、乳がんは増えるようですね。
(ただし10万人あたり数人〜十数人。乳がんのみで。)


一方、飯館村の土壌汚染で調査結果が出ています。
----------------引用開始
今中助教は、土壌のセシウムで汚染の程度を評価した。汚染土を表面2センチの土と仮定すると1平方メートル当たり326万ベクレルで、
----------------引用終了
「土壌汚染「チェルノブイリ強制移住」以上 京大助教試算」京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110328000068

555,000Bq/㎡でこんなに乳がんが増えているのに、3260,000Bq/㎡の飯舘村は大丈夫なのでしょうか?

<2011/05/07追記>
ゴメリ州と同じCs-137で比較できる資料を見つけました。
飯舘村のほとんどは100万〜300万Bq/㎡の範囲だそうです。

文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリングの測定結果[平成23年5月6日] (PDF:1570KB)
http://www.mext.go.jp.cache.yimg.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1305820_20110506.pdf
「文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリング」
http://www.mext.go.jp.cache.yimg.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1305818.htm




また、福島県の小学校の土壌についても調査結果が出ています。

浪江町立津島小学校 4月5日採取 137Cs 5,446Bq/㎥

(見やすくするためにアンダーラインを赤で書き込みました)

[PDF]「福島県学校等環境放射線ダスト・土壌モニタリング実施結果(ダスト)速報値」
http://www.pref.fukushima.jp/j/schoolairsoil.pdf

平方メートル(ゴメリ州調査結果)と立法メートル(福島県調査結果)で測定方法が違いますので、直接比較はできませんが、
5年で土壌5cmまで浸透だとすれば4月5日の時点ではそれほど大きな差はないかと考えました。
「7/7チェルノブイリ 連鎖爆発阻止の闘い7」DISCOVERY
http://youtu.be/uJYzz9k98-A


チェルノブイリでは、1回の爆発でほとんど放射性物質を放出してしまったそうですが、浪江町小学校の汚染はまだまだ続くと思われます。
今のところゴメリ州の1/100ですが、福島は約1ヶ月、ゴメリ州は20年間の蓄積であることを考えると、将来が不安です。
福島では未だ放射能漏れは止まっていませんから。




次に、ベクレルをシーベルトで考えてみました。
乳がんの罹患率が増えていた555,000Bq/㎡はシーベルトに換算するとどうなるか?
参考資料
Cancer consequences of the Chernobyl accident: 20 years on
http://iopscience.iop.org/0952-4746/26/2/001/pdf/0952-4746_26_2_001.pdf
P.130
Table 1. Estimates of mean effective doses (mSv) for population groups of interest
汚染地域のうち、137Csが555k(555000)Bq/㎡のエリアは50mSv(20年間)に相当するそうです。

(見やすくするためにアンダーラインを赤で書き込みました)


つまり、20年間で50mSv被ばくしている人たちは、確率的に乳がんにかかる可能性があるということですよね。

1年間に換算すると2.5mSv/年。
現在問題になっている校庭の基準値20mSv/年は高すぎませんか?


今はまだ放射能漏れは止まっていませんよね。
福島の人たちは、このレベルの被ばくを何年か続ければ、乳がん罹患率が増えるのではないのでしょうか?
さらに、乳がんのみならず他のがんも。
癌のみならず他の病気も。
福島のみならず、東北、関東も。




<2011/05/06追記>
「チェルノブイリ被害実態レポート 翻訳プロジェクト」というサイトが立ち上がったそうです。
http://chernobyl25.blogspot.com/


<2011/05/31追記>
付録[チェルノブイリと福島の放射性降下物の蓄積量比較]
フランス 放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)報告
福島原子力発電所事故から66日後の北西放射能降下区域住民の予測外部被曝線量評価
――住民避難対策が与える影響―― 報告DRPH/2011-10
ヒト放線防護局 (仮訳:真下 俊樹)
http://www.greenaction-japan.org/internal/110523_IRSN_drph2011-10.pdf



タグ:放射線
nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 1

コメント 4

keykun

こんにちは。^^
現在の肺がんなどは~
初期の胸部レントゲンの影響だと言う人も居る様で?
危険レベルと、安全境界の灰色部分?の救済が必要でしょうね。^^
何しろ~初めての事なのだから・・トカ。 ^^)v
by keykun (2011-05-04 12:47) 

ふじくろ

>>keykunさん
レントゲン検査、CTなどによる被ばくのリスクが問題になっていましたね、もう10年くらい前のことですが。
特に日本は検査が多いので、リスクも高くなっているという報告を見たことがあります。
これらの検査のガイドラインが存在するのかどうかは知らないのですが、不必要な検査をしないよう個人で注意しています。
病院、診療科によってはできるだけ少なくしているところもあるみたいですよ。(^^)
by ふじくろ (2011-05-04 16:57) 

indoorcat629

参照なさっている「Chernobyl Consequences of the Catastrophe for People and the Environment」の翻訳プロジェクトが始動しています。ご注目下さい。(発起人・事務局)
by indoorcat629 (2011-05-06 03:51) 

ふじくろ

>>indoorcat629 さん
サイトを拝見して@chernobyl_25さんもフォローさせていただきました。
翻訳していただけると大変助かります。
ありがとうございます!
by ふじくろ (2011-05-06 21:43) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。