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[nuclear]食べ物飲み物への放射線の影響を考えてみた [Earth]


これは個人的なまとめ記事です。
報道から知る、様々な測定値についてのメモや疑問に思ったことなどを記しています。 

【飲食物の基準値】
2011/3/17に突然発表された基準値「飲食物摂取制限に関する指標」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
送信者 blog:地球のために今何ができるだろう?


指標は誰が決めたのか?
原子力安全委員会(日本の組織)


何をもとにして決めたのか?
国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告
「放射性ヨウ素の付いた飲食物は50mSv/year、放射性セシウムは5mSv/yearを超えて体内に取り込まない」



参考資料;
○東京新聞2011/3/29付 朝刊 24面

○「国際放射線防護委員会(ICRP)の. 放射線防護の考え方. 東京大学原子力研究総合センター」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/004/006/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2009/05/26/20040922_01c.pdf


☆ちなみに
WHO(World Health Organization、世界保健機関)の「Radiation emergencies」(2011/04/18現在リンク切れ)によれば、下表のようになっていました。
P.13 Table 4.
送信者 blog:地球のために今何ができるだろう?




☆同じくWHOのFAQでは
[pdf]「水道水汚染について」
更新:2011年3月31日 (ジュネーブ時間) 日本語訳
「下表は、飲料水における放射性ヨウ素 131 のガイドラインをまとめたものであり、」
送信者 blog:地球のために今何ができるだろう?

[原典]FAQs: Japan nuclear concerns 8 April 2011

簡単にいうと、WHOの10Bq/lは平時のときの基準で、日本の300(乳児:100)Bq/lは緊急時のときの基準なので値が異なるということですね。
緊急時なので仕方ないと思いますが、胸部X線10~15回は決して無視していい値ではないと思います。
なぜそう思ったか?
「[nuclear]X線やCTは、そんなに安全ですか?」2011-04-10 に記しました。
日本の基準値の水道水を飲んだからといって、喉をかきむしってバタッと倒れるようなことは起こらないと思います。
しかしながら、放射性物質が今でもだらだらと放出している現状(2011/04/13現在)では、汚染がいつまで続くのか不明なので、楽観視できるとも思えません。


<2011/6/8追記>
「注釈:(3) 上記(2)に加え、乳児食に使用する飲料水についての基準値がある。このレベルは、コーデ ックス委員会が乳児食について定めた国際ガイドラインと同等である。」
となっていますが、ここで疑問が生じます。
コーデックス委員会が決めたガイドライン(*1)によれば、緊急時に汚染地域からの食品の輸入/消費を1割と仮定して(IPF=0.1)算出しています。
つまりすべて汚染されていればその10倍なので、勧告レベルは100→10Bq/lになるはずです。
乳児に限って言えば、粉ミルクを水道水で溶いて与えている場合、十分な注意が必要と思います。






☆ドイツの日本向け提言では
独放射線防護委員会による日本における放射線リスク最小化のための提言
2011年3月20日 ドイツ放射線防護協会 www.strahlentelex.de
http://icbuw-hiroshima.org/wp-content/uploads/2011/04/322838a309529f3382702b3a6c5441a31.pdf
乳児~青少年に対しては汚染飲食物1kgあたり4Bq以上、 成人は汚染飲食物1kgあたり8Bq以上の基準核種セシウム137を含む飲食物を摂取しないことが 推奨されるべきである。




☆輸入食品中の放射能の濃度限度
1986年のチェルノブイリ事故を受けて決められた輸入食品の暫定限度は、134Cs+137Csで370Bq/kg以下
線量限度(5mSv/年、1986年現在)を十分下回るよう設定された。
1人一日あたり食品摂取量のうち35%が汚染食品であると仮定した。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-01-04-07 輸入食品中の放射能の濃度限度 (09-01-04-07) ATOMICA








【飲料水】
「福島第一・第二原子力発電所の事故に伴う水道の対応について」2011/3/19より
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015k18.pdf


[Bq(ベクレル)と Sv(シーベルト)の換算]

放射性セシウムCs137:
200Bqが検出された飲み水を 1kg 飲んだ場合の人体への影響は、 200×1.3×10-5(10の-5乗)=0.0026mSv

放射性ヨウ素I131:
300Bqが検出された飲み水を 1kg 飲んだ場合の人体への影響は、
300×2.2×10-5(10の-5乗)=0.0066mSv

〔疑問〕
P.3の囲み記事を引用---------
「上記の(例2)で算出した約 0.007mSv の人体への影響は、東京からニューヨークに航空機 で移動した場合の放射線の人体への影響(約 0.1mSv)の約 14 分の 1。胃のエックス線集団検 診(1 回)を受診した場合の放射線の人体への影響(約 0.6mSv)の約 86 分の1である。」
-----------引用ここまで-------------

体内に放射性物質を取り込んだ場合が内部被曝で体外からの被曝が外部被曝というのなら、それぞれが人体に及ぼす影響は比較できるものなの?
例えば1mSvの内部被曝と外部被曝は同等の影響を与えるものなの?



[地域別測定値]
出典「上水(蛇口水)、定時降下物のモニタリング」文部科学省

I-131
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Cs-137
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【食物】
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〔疑問〕
「東北地方太平洋沖地震の原子力発電所への影響と食品の安全性について(第6報)」2011/2/21更新 食品安全委員会のP.2の(例1)(例2)によれば放射性物質が検出された食物を食べた場合の人体への影響を考えるとき、BqからSvに換算するには、実行線量係数は放射性セシウム1.3、放射性ヨウ素2.2でいいのかな?
*実行線量係数については同資料P.8問8を参照しました。

これまたよくわからないのは、放射性物質付きのホウレンソウなどを食べた場合の人体への影響を、東京ーニューヨーク間フライトの外部被曝と比較していること。(上記資料P.2)
比較できるものなの?
放射性物質が体内に入れば、体外へ排出されるまでは放射線を出し続けるのではないの?



追記;
↓こういう資料がありましたので、少し勉強したいと思います。
「環境放射線モニタリング指針」平成20年3月 原子力安全委員会
http://www.nsc.go.jp/anzen/sonota/houkoku/houkoku20080327.pdf
送信者 blog:地球のために今何ができるだろう?




【参考資料】
(*1)「CODEX STAN No.193 1995 General Standard for Contaminants and Toxins in Food and Feed」(PDF)
http://www.codexalimentarius.net/download/standards/17/CXS_193e.pdf


【関連記事】
[nuclear]食品の放射能測定についてまとめ 2011-07-28

[nuclear]国の暫定基準値は本当に高いのか?を考えてみた(食物編) 2011-05-28

[nuclear]ドイツ放射線防護協会の提言を整理してみました 2011-05-24

*発表された実際の放射能量については、以下の2つにまとめました。
[nuclear]食品汚染グラフを作ってみました(乳・肉・卵編)2011-05-21

[nuclear]食品汚染グラフを作ってみました(野菜編)2011-05-19


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コメント 2

keykun

こんにちは。^^
この単位系もヤヤコシイデスネ!
「シーベルト」と「シーベルト毎時」でも違ってくるようだし。
報道では毎時を使ってるようなので~
体内被曝だと排泄されないと、被爆量掛ける時間に半減期も考慮?
プルトニュームだと化石化してたり・・・。^^;;
by keykun (2011-03-22 10:24) 

ふじくろ

>>keykunさん
当初報道で”per hour”を付けるべきところを、付けないで報道したために混乱したりしましたね。
外部からの1mSvと体内での1mSvが同じように比較されている理由がいまだに良くわかりません。(^^)
by ふじくろ (2011-03-23 15:20) 

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